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SKY~なんちゅのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

神曲に愛を

「俺は誰だ」

目覚め、最初の一言がそれだった。
ゆっくりと確実に身体と意識が龍に支配されていく彼は、少しずつ確実に、全てをなくしかけていた。
「そう…アタシは…ダンテよ」
ぽつりと言った後、一人ぼっちで寝ていた、壊れた宿屋のベッドでゆっくりと目を閉じた。

 

ダンテ…『この世の裏側』を見れ、干渉できる精霊。
アンティノメルのギャング精霊は、全てダンテの部下と言っても過言ではない。
反逆者が出ても、ダンテの手により消されるか、ギャング精霊に消される。
ダンテはこの世界を支配しようと、アンティノメルでは最も強い力を身に付けていた。
『この世界で最も強い存在』を『この世界で最も強い力で信仰』しているし、世界に干渉ができる。
その時点で、ダンテは最強に最も近い精霊なのだ。

この世の裏側には、最終的にソラにより殺される、と書いてある。
ソラに殺される事をなんとか回避しようと、ダンテはあらゆる手段を尽くしてきた。
誘拐。監禁。精神攻撃。
だが、ソラは精神を破壊しなかった。理解できない。
愛する人」の為に。


ダンテには愛が理解できない。
ダンテには愛するものも愛する人も守りたい存在もいないからである。
親には過度な期待を載せられ、愛なく、虐待もされた。最終的にはダンテが親を殺した。
愛する存在もない。それどころか、友と呼べる存在すらない。
彼にはソラの言う「愛」が、理解できないのだ。

ソラはあるサターニアを愛している。
そのサターニアは男であり、ソラも男であるが、二人はとてつもなく強い愛情により結ばれている。
そしてソラはアンティノメルを立派な警察国家にする事、ルーカスからの熱い信頼、トラウマで殆ど失った感情についてありのまま接してくれる周囲、何があっても愛してくれる恋人、というとても恵まれた環境に居たのだ。

 

ソラには感情がほぼ無い。
それはダンテがこの世の裏側を見た時、ソラという少年がダンテを殺すと書いてあり、それを阻止するためダンテが幼きソラを幽閉し感情を破壊したためである。
だがしかし、シュン…ソラの愛するサターニアの青年が、ソラの心の鍵を開けた。
ソラが愛していて、ソラが愛しているという気持ちを告白できて。
ソラが唯一感情を出せる相手もシュンである。
二人の記憶からは抹消されているが、結婚式を挙げたこともあった。
ソラは彼と、信頼しているルーカスのおかげで少しずつ、本当に少しずつソラの感情は戻っていっている。

 

ダンテはぼんやりと目を閉じながら考える。
「アタシには何故愛が理解できないのかしら」
虐待を受け、恐れられたダンテを愛するものなど居ない。
「友達でもいいから、アタシに何か欲しかった
人でもいい…」
悲しい。そう強く思う。悲しさのあまりに、心が押しつぶされてしまいそうだ。
ダンテは、ソラならこの感情も無く過ごせるんだろう、と思う。

以前、ソラに言われた事がある。
「あなたには愛がありません、だから俺には勝てないんです」
その愛というものが理解できない。たとえ愛情のサムサールの目を見ても、愛は理解できないだろう。
愛が無いと勝てないと言われても、彼に愛する気持ちは無い。無いのだ。
愛する人も愛する関係も愛する場所もない。

 

「俺は愛なんて理解できない俺は分からない殺すソラを」
侵食された狂った口調で、ダンテは独り言をいう。
「俺は愛なんて愛愛愛愛なんてない要らない愛は要らないソラあいつは愛がある俺にはない愛なんてない
愛がわからない教えて俺に愛を教えて」
ダンテの口からスラスラと言葉が漏れる。その言葉を聞き、ダンテは止まらないお喋りに涙をこぼしていた。
絶対、普段はいわない言葉をいっているから。
愛を教えて、なんて、言ったことがない。
深層意識では、愛が欲しい。だがそれが分からない。

「愛なんて要らない」止まらない口から繰り返し漏れるその言葉に、ダンテは泣きながらベッドの上にあるシーツに篭った。

 

 

今日のイラスト

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線画せずにクリンナップからアニメ風加工する実験をしたやつ。覚醒ダンテ。

やっぱアニメ塗りって加工次第なのかな…

 

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長田さんのリクエスト「ガーナチャンプルーを食べて上機嫌なガーナ」。