SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

継ぎ接ぎサイドストーリー1

…パッチングで数回目の、最初の転生が行われてから数週間後。

パッチングはすっかり人の集まる国となっていた。
これも転生の儀式のおかげである。
転生の儀式のための宝石も、他国からの輸入で少々高いが手に入る。
前世で帝王をしていたスコーン皇帝も、満足げだった。

 

だがある日、スコーン皇帝を裏切る者が現れる。
召使のツカイ=パーソナル…彼はこの国の理はおかしいとスコーンの元を逃げ出し、この国の真実を探しに行った。
それはタブーだ、とスコーンは忠告したが、ツカイは聞く耳を持たなかった。
「私は行きますからね、金髪赤バンダナの少年さん」

「…え?俺は…」
ツカイは意味深に、前世よりはるかに前の記憶を告げ、去っていった。
スコーンは、紫の髪とコートの青年である。けして、金髪ではない。

 


「神よ、どうにかしてツカイを止めてくれないか」
二番目の召喚者であり傭兵ウェドは、小さな教会代わりの建物で祈っていた。
この国では「スターダスト」という神が信仰されている。
時間の理を持つという神であり、転生の神ではない。
神は普通、姿を表さないものである、が。
「呼んだかい?」
突如ウェドの目の前にふわっと眩しく光が舞い降りたと思えば、少年が現れたのである。


「お前は誰だ」
ウェドはすかさず聞く。光から少年が出てくるなんて怪しさでいっぱいだからだ。
「ぼくはスターダスト」
目の前の少年はすかさずそう答えた。少年とはおもえない、真剣な顔で。
「…本当にスターダストか。」
ウェドは置いてあった剣を手にして、呟く。真剣な表情だ。
「参ったよ…きみは、ぼくのことを忘れちゃっている」
スターダストは、前からウェドの事を知っているように話しかけた。
「…きみが前世、何をしたか覚えている」
「ほう、どうせ小さな国の帝王をしていた、とかその変だろう?」
「違う、それはパッチングの歪んだ記憶」
ウェドがほう?と顔を歪ませるのを確認して、スターダストは話を続けた。

「きみは記憶を失っていた。そこをぼく『たち』が助けた。
きみは小さな国の帝王じゃない。ウェド、きみは名のない大きな帝国の王だった。」
スターダストがゆっくりと言う。
そんなわけないだろう、パッチングで産まれたものはパッチング以外記憶が無い。ウェドは反論した。
それでもスターダストは話を続ける。

「パッチングの記憶は歪んでいる。
転生するとき…記憶が歪む
いや、転生自体おかしい。
だって『前世は違う世界での出来事だから』」

これ以上言ってはいけない、とスターダストは口を動かすことをやめた。
これ以上言うと、国民にこの国の秘密が知られてしまうから。
スターダストは、喋りすぎた、ぼくを信じるか信じないかはウェド次第だよ。と言って光に包まれ、次の瞬間消えていた。
ウェドは、何を言っているんだ…?というような顔で、教会の椅子にぽっかり座っていた。
遠くから、知り合いだからって話尽くしちゃった…と声が聞こえた気がする。

 


ツカイはスターダストの会話を盗み聞きしていた。
「ほう…?前世はパッチングの記憶じゃない?」
ツカイはまた一歩真実に近づいた。
ツカイの目的は、真実に近づき、記憶を取り戻し、パッチングを支配する事だ。
「だとしたらパッチングが歴史あると言うのは嘘なのか?」

 

…ツカイは気づいた。ツカイの前世はパッチングのはず。だがパッチングは祖国ではないという記憶が残っている。
xxxx王国、という言葉が記憶をかすった。たぶん、その王国が祖国なのだろう。
思い出せない。
だがしかしこの国の矛盾に一つ気づいたようだ。

「待っていてくれ、記憶にない家族よ、祖国よ。私は真実を知り、この国を支配する事だ」
ツカイはぼそりと呟き、座っている地面から立った。

 


おまけ


スコーン帝王は、アンティノメルの代表と会うことになったが、あいにく代表「ルーカス」がカウンセリングの日で居ないため、ソラが迎えに来た。
「スコーン皇帝、俺がソラです」
「ありがとう!ソラくん。」
笑顔でウキウキしながらヒーロー団体本部に入っていくスコーン。無表情で案内するソラ。


「ソラくん、俺は発展途上国『パッチング』の帝王だよ!
帝王だからって、そんな堅苦しい態度とらなくていいんだよ!」
スコーンは見た目の暗さとは合わない笑顔で話しかける。
「いえ。これが癖なので」
ソラは見た目の明るさとは合わない冷静さで話しかける。
「まあパッチングがいきなり立国したから驚くのも仕方が無いと思う!
俺ね、前世は火の魔法が使える人間だったんだ!面白いだろ、人間なのに魔法が使える!
呪詛とも信仰とも違う能力で魔法が使えたんだよ!」
ウキウキと目を輝かせながらスコーンは話しかける。お喋りが止まる気配がしない。
「魔法ですか。興味がありますね。前世は何だったのですか?」
興味がある、という声すらソラは無感情だった。
「…えーっとソラくん?」
「はい」
「きみの言葉に感情を感じないんだけど…気のせい?」
スコーンは思わず質問をした。
「…俺に感情はありません」
ソラが少しためらって言った。その表情は少し曇っていたような気がする。
「感情が…ない?」


「…俺に感情はありません。幼少期の…思い出したくない出来事。あれがきっかけで…俺は心を失いました」
「ソラくん…そんな過去が。」
スコーンは真剣に話を聴く。
「…監禁…嫌だ……僕は……監禁……」
ソラの手が震えた。表情が恐怖に包まれる。
「ソラくん!」スコーンは正気に戻そうと、声を放った。その声にびくっとして、ソラは正気に戻る。
「…すいません。取り乱しました…」
「…辛い記憶は話さないでいいよ」
…スコーンとソラに無言が続く。

「…そういえば。俺には大事な人がいるんですよ」
「へぇ、大事な人?」
スコーンは、その言葉に興味を示した。
「…俺を受け止めてくれる大事な人…俺がどんなに冷たくしても、俺にどんな事をされても…俺が過去に辛い事を味わったと知って、受け止めてくれる」
「…凄いね。ソラを受け止めてくれるなんて…。」

「…ええ。俺を受け止めてくれる彼氏ですよ」
「…え?」
スコーンは、その言葉を聞き一瞬固まった。

 

 

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わーいソラくんキーホルダー作ったよー!