読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

SKY~なんちゅのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

敗者と勝者4

「ルビネルさん、大丈夫かい?」
ミネルヴァがルビネルの心配をする。
「あ、はい…大丈夫です…」
涙の止まらないルビネルをただミネルヴァが心配する。

「私、なんて弱いんでしょう…負けた気がします…」
「何言ってるんだい。私はね、愛した人を裏切った過去があるんだ。
きっと私がアイツの目を見てもそうなるだろうねぇ。
…ちょっと香水借りれるかい?ルビネルさん、助けが必要だ」

 

「いかにも、この部屋に相手はいますよって感じだな」
豪華な扉の前にルーカス…ことジルは立っている。

「俺様がちゃっちゃと殺めてやるからよ、安心しなルーカス。合法でまた一人殺れるぜ…!」
ジルは不敵の笑を浮かべる。サムサール相手だ、目を瞑れば大丈夫だろう。
完全に油断している。ルーカスは危機を感じ発声する。


「やめなよ!人を殺すならせめてぼくの意思を残さないで!」

「ああ?お前、俺様に完全に乗っ取られるのを望んでるようだな?珍しい…」

「殺すなら、乗っ取ってくれ。ぼくの意識を残さずに。」


そういった瞬間、ルーカスとしての意思と意識が身体から消える。
完全にジルの意思になり、人格交代は成功した。

…この人格交代はルーカスの計算である事をジルは知らない。


ジルが足で乱暴にドアを蹴る。
目の前にはサムサールが居た。笑みを浮かべている。

「代表さん、ノコノコとありがとさん。俺を殺そうとも逮捕しようとも無駄だぜ?」

彼がジョセフ。敗北の目のサムサール。

「オメェは俺様に殺される」

ジルは負けずとジョセフを睨む。

「何言ってんだか代表さん。オメェは俺の目を見て負けるんだよ。オメェ、気が弱かっただろ?」

そう言われた瞬間、ジルの横にある鏡にジョセフがうつる。

「!!」

見てしまった。
日本刀を用意し横を向いていたせいで、鏡に映る目を見てしまった。


「う、あああああっ!!」

ジルの全身に敗北感が駆け巡る。
…ジルも本当は心が弱いのだ。特に、負けるという事に関してはジルは弱い。
全身に敗北感が移動する。ジルは今にも泣きそうになっていた。


ジルは自身の身体を抱きしめ地面へと落ちる。
鏡でジョセフが敗北の目を見せている…ならば。
負けたと思いながら日本刀で鏡を割る。
これはただサムサールが鏡の反射でも呪詛を発動させられると知っての事である。

反射はおさまったが、ジルの全身に力が入らない。
負けた。
この感情に支配される。発狂しそうになる。


「間抜けだな代表さん。どれ、他の奴らと一緒に閉じ込めてやろう。」
ジョセフがさらに奥の扉を開ける。
そこには…

「…クライド」
「…ルーカス様!?ダメです、ジョセフは…強すぎる…」

クライドが閉じ込められていた。おそらく囮に使う予定だったのだろう。

「クライド…テメェの生死は関係ねぇ、アイツをどう攻略するか教えろ!…負けた。悔しいんだ… 」
ジルは乱暴に話しかける。

「アイツは…額あてをしていない!だからどうにか第三の目を閉じれば…クッ…」
敗北感にクライドは包まれる。このままではいけない。


「…俺様が落ち着くのを待て。ほかのヤツらが勝手に侵入してるかもしれねぇ…任せる」
ジルはボソリと呟く。

 

「しかし、広いですなハサマ王。どうやって攻略しますかな?」
オムビスが広い屋敷内を見て呟く。
「うーん、わかんない。ハサマは何処を進めばいいんだろう?」
入口付近でさ迷っていた二人。そこに泣いているルビネルとミネルヴァが現れた。

「あの…少しは良くなりました…香水の力を使うだけならいけると思います。
この力でボールペンをスケート靴の代わりにしてください…私はここで待っておきます」

香水を二人文、ボールペンに吹きかける。
ボールペンが浮かび、ハサマとオムビスの足についた。


「効果は七分ほどですが、いけるでしょう…私はミネルヴァさんと一緒に待機しておきます」

「私はルビネルのことを見守っとくから安心してな!」

コク、と二人は頷く。ボールペンをスケート靴の代わりにし、早めに進んでいく。


「ねぇ、なんであの鏡割れてるんだろう」
ハサマが指を指す。不自然に割れ、最初に見える鏡には割れた鏡が写っている。

「おそらく先程ルーカスさんかクライドさんが行った時に割ったのかと…」

「どちらかが割ったんだね?ハサマはこの方向が怪しいと思う、急いでいこう!」
二人はボールペンを使い進んでいく。

 

乱暴に蹴られたあとのあるドアを見て二人は恐らくここだと思う。

「ハサマ王。相手は敗北の目を持っています。ハサマ王は目を瞑って戦ってください。」

「分かった!」

二人は部屋の中へと入っていく。


「ようこそジョセフの部屋へ…ふん、チュリグの王は目を瞑っているか。確かにこうされれば意味が無いな…
まあいい。実質戦力が一つ減ったようなものだ。」

ジョセフはふふ、と笑う。

「横を見ろライスランドの剣士。」

「見るものか!」
オムビスは横に鏡があると分かって、横を見なかった。


「おいオムビス、ハサマ王、居るのか!」
ルーカスの声が響いた。

「ルーカス!」
「あれ、ルーカスどうしたの?」


「アイツの周りの鏡を割れ!鏡どころか反射するものをな!」

そういった瞬間、ハサマが作り出した竜巻で鏡という鏡が割られていった。
水たまりや鏡のように美しい宝石など、次々に割れていく。
正式には割ると言うより、「反射しないように傷つけた」。


「ふん…オレの力をある程度封じたのか…!?」

そうジョセフが言うと、ジョセフは額に違和感を感じた。

「布…!?」

クライドが悔しそうな表情をしながら、ジョセフの額に布を被せた。

「ルーカスさんの持っていた包帯だが、ある程度効くかな?」

そう言い、クライドは素早く後ろの部屋へと退避した。
敗北ばかりではいられないとクライドが判断した結果だった。

「クライド、ナイス〜!」
ハサマが笑顔で言うと、オムビスとハサマが戦闘態勢をとった。


「さあ、戦おう!」