SKY~なんちゅのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

敗者と勝者 5

ガキン、とクライドの剣がジョセフの剣と合わさる。
「ふん、これくらいかクライドとやら」
「うるさい!お前が異常なサムサールなだけだ!」
連続で音が鳴る。かなり激しく剣がぶつかり合う。

 

「クライド殿、俺も参戦します」
オムビスが参加する。
ジョセフはすかさず両手に剣を持ち、その行動によりジョセフの両手が塞がれた。
「クッ!じゃまなんだよ!!」

 

いきなりボールペンが飛んできた。
同時に、石も飛んでくる。
「私も…私も参加します!」
「ルビネルは大丈夫だよ!アタシもちょっと非力ながら参加するね」
ルビネルはある程度落ち着き、少しヘロヘロとしながらボールペンを操っている。
ミネルヴァは武器を今回持っていなく、外で拾った石で攻撃する。
石はガラス、鏡を割りジョセフの攻撃を広範囲に広がらないようにした。

 

「こしゃくなマネ…をっ!?」
皆の攻撃が終わるといきなり小さな台風が現れた。
皆それぞれの攻撃が終わったタイミングで、誰も傷つかないように。
「もう!ハサマたちの攻撃でこりてるでしょ?」
ハサマが台風でジョセフを傷つける。

 

全員の行動で、ジョセフは立てなくなっていた。が。

 


「うるさいぞ!!貴様らは敗北感にのまれていればいい!!」
ジョセフが布を取り第三の眼を開ける。
この目に皆が囚われたら。

 

 

「逃げて!!」

 

ルーカスが部屋の奥から勇気を振り絞り出てきた。
ジョセフの目に、万一の時用に持っていた軽い麻痺薬をかける。
「クッ!」
ジョセフが軽く悲鳴を上げる。目の筋肉が麻痺して動かせない。

 

それと同時に

 

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

ルーカスは思いっきり第三の眼を見てしまった。

その絶叫は屋敷どころか、まるで国中に響くようなものだった。

 


「ルーカスさん!!」
皆が心配してルーカスに近寄る。

 

「ああ、ぼくは…ぼくは…!!!」
劣等感がルーカスの頭から足元までかけめぐる。
素早く駆け巡った劣等感。ルーカス全てを否定するような衝撃。
もう立てない。勝てない。
世界で一番心の弱い鬼は絶叫するしか無かった。

ジョセフは、勝った!と高笑いをあげる。面白いから、ルーカスをしばらく見てから殺そうと行動に出る。

 


ルーカスの脳裏で何が起きているかも知らずに。

 

 

――――おい

――――なんだい…?

 

――お前、なにがしてえんだ?

――みんなを守りたいんだ

 

――じゃ、なんで負けてんだよ?

――負けてる…?

 

――俺はな、そんなナヨナヨして弱っちいテメエを観るのが嫌なんだ!だからよ!

 


背中にぬくもりを感じた気がした。
ただ、抱きしめられているような気がした。

 


――泣くな お前が立ち上がれなかったら皆迷惑かかるし、俺も迷惑だからよ…

――ジル


ルーカスは、自分の体を抱きしめた。
一つしか無い身体の二人の人格。ハグを送り返すには、これしか無い。
ジョセフはそれをただの祈りのポーズだと思い、近づく。


――ジル、ありがとう。きみも…敗北の目を見たのに、よくがんばってくれたよ…

 

――ルーカス、戦うんだ。俺はテメエを愛している。だからよ、戦え。愛してるやつのために戦うのも悪くねえんじゃねーか?

 

――そうだね。愛してる、ジル

 


もう一人の人格に愛を伝える。とうてい叶わない恋の行動。変な恋だと皆は言うだろう。
だがもう一人の人格を本当に好きだから、もう一人の人格を本当に愛しているから立ち直れる。

二重人格、お互いを支え合ってきた。
立ち上がれる。今なら立ち上がれる。今しかない。


「…ぼくは大丈夫だ!みんな、ぼくは大丈夫だ!」
ルーカスが立ち上がる。ジョセフは、馬鹿な!と言い後ろへと下がった。

 

「ぼくの力をなめないでほしいな!」
ルーカスがジョセフを斬った。あえて急所は外し、ジョセフが気絶する程度の血の量を絶妙に作り出す。

「がはっ!」

設立者の一撃は強い。その上ルーカスは鬼だ。だから、その一撃は強力であった。

 

 

「ルーカス…テメーは何故、復活できた…!?」

「…愛する人の為さ」

そう返答を終えると、ジョセフは倒れた。

 


戦いに勝ったのだ。