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SKY~なんちゅのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

ジル・ド・レの目覚め

書こうと思ってずっと書いてなかったジルさんがルーカスから(物語で)最初に現れた時のSS。

 

 

「〜〜っく、よく寝たァ〜〜…」
鬼の中年があくびをしながらベッドから起き上がる。
アンティノメル・ヒーロー団体の中にあるルーカスの専用部屋。
そこに男は横たわっていた。
まだ男はその事を知らない。

「…ん?」
何故か枕代わりに置かれているは、うさぽんのぬいぐるみ。
「(俺はうさぽんは苦手なんだけどな…なんかの嫌がらせか?)」
『うさぽんが苦手』な男は、その後何故か服がうさぽんがでかでかとプリントされた服であること、何故かこの部屋が可愛らしいぬいぐるみまみれなことを確認する。
「…何でだよ」
ぶんっ、と可愛いぬいぐるみを投げる。
ガンッ、とそれは鏡に当たった。
「…っとと。」
流石に悪いと思い、男は鏡をついでに覗き込む。


「…は?」
男は、昨日ワックスでも落とし忘れたのであろう。ツンツンとした髪型をしている。
ベージュ色の髪型が己に良く似合う。
部屋の後ろに見えたはベージュのコート。

だが、顔は己であった。
少し老けているだけで。

男は何が何だか分からなかった。
身分証明書を無いだろうが、一応探してみる。
そして男は机の上になにか手帳が有ることを確認した。
急いで手帳をめくる。
そこに書いてあるは…
鏡に映った己と同じ顔。
いや、厳密には少し違う。己の顔のはずなののに、その顔はとてもとても優しかった。

そして、名前が違う。
己なのに名前が違うのだ。

『ルーカス=マーティン』

「………ふざけんなよ…!!」
『ルーカス』と書かれていた男は怒りを通り越して呆れていた。
何かのいたずらか?何かの間違いか?
しかも職業には【警察】とある。
目が覚めたら己が老けていたなど…目が覚めたら別人の名前だったと……


そこに一人、少年が現れた。
「ルーカス様?」

「おいガキ!どういうことだ!?テメェのイタズラか!?」
「…ルーカス様…?」
「俺はルーカスなんて名前じゃねぇんだよ!
俺の名前は…

ジル・ド・レだ!!」


その言葉を聞くと同時に少年がナイフを待ち構える。
ジルと名乗った男はその即座の行動に腰を抜かした。まずい、やられる。

少年は無表情だったが、心の中は複雑だった。
『ジル・ド・レ?あの殺人鬼ですか…』
『なぜ今ジル・ド・レがルーカス様の見た目で立っているのですか?』
『ルーカス様は何処へ?彼の顔はルーカス様じゃない』
そう思い少年はナイフをジルの首元まで近づける。
「ジル・ド・レ。ルーカス様を何処へやりました?」
「知らねぇよ!俺はジル・ド・レっつー名前なんだ!
ルーカスなんて知らねぇ!!知らねぇんだ!!」
「嘘をつかないでください。ルーカス様をどこへ?」
「ルーカスなんて…!!」
そうジルがいいかけた時、ジルはスイッチが入ったかのようにガクリとする。


「……ソ…ラ……くん」
「…??」
ソラと呼ばれた少年は混乱しているようだった。
先程までジルと名乗っていた男の声と顔はソラのよく知るルーカスのものだった。
「…もう…ぼくは隠せないようだ…まさか彼が出るなんて思ってもなかった」
ぼくはね…

…本当は殺人鬼ジル・ド・レなんだよ」


――それがルーカス=マーティンの裏人格、いや、主人格の発覚だった……