SKY~なんちゅのPFCSブログ~

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ルーカス教頭の友

ジルはルーカス教頭の架空の友という事にしたら設定が本編よりマイルドになる上に、鏡に話しかける理由付けが出来るなと思ったSS。

 


「きみ、だれなの?」
「俺はジル・ド・レっていうんだ」
それが、ぼくと彼の初めての出会いだった。
ハッキリ覚えている。彼は、一人のお留守番で泣いていたぼくの元に現れた。いや、声自体は前々から聞いたことがあるんだ。
それまでぼくはそれ(彼が姿を表さずに話しかけることね)が当たり前だと思っていた、みんな声が聞こえと思っていた、でも周りの人に聞くとそれは普通じゃない事に気づいたんだ。

彼はぼくの前に姿を表した時、ベージュのコートの姿で現れたなぁ。
ぼくはあの時、将来警察官になるって思ってたから、警察っぽい服を着て現れたのかもね。
彼はぼくそっくりの姿をしていた。ぼくの顔、ぼくと同じベージュの髪の毛、ぼくと同じ赤い角。
でも顔つきと年齢だけ違ったんだ。
彼は鋭い怖い目つきをしているなぁ。でも、根本は優しい奴だよ。
彼が優しいって気づくのに時間はかからなかった。むしろ、一瞬で気づいた。
何でだろうね、一瞬で気づいたんだよ。まるでぼくは彼を昔から知っていたようにね。あの時ぼくは三歳ぐらいだったかな?
彼は33歳ぐらいだったけどね。彼は歳をとること無くぼくは彼の歳に追いついた。
小さい鬼の目の前に大人の鬼が現れたんだ、しかも怖い顔。でもね、ぼくは彼に恐怖を感じなかった。
そしてぼくと彼は友となった。
ぼくにしか見えない友と。

ぼくは大きくなるにつれて、彼そっくりになった。
大きくなるにつれて、彼はあまり喋らなくなってきたし、見えなくなってきた。
ぼくは叫んだ。大きな声で鏡に向かってね。
「消えないで!」
そう言ったら鏡に映るぼく…彼は悲しそうな顔をして…その顔はぼくかもしれないし彼かもしれない…話しかけた。
「ルーカスがそう言うなら消えねぇよ」
……以降、ぼくは鏡越しで喋るようになった。
鏡に映るぼくを、彼と同一視して。
彼は大きくなるにつれ、どんどんぼくに姿を見せなくなったけど、鏡に映るぼくは彼そっくりで。
自身が映るものを、ついうっかり彼と勘違いして喋ってしまう。

「ねぇジル、おはよう!」
「ああ、おはようルーカス。今日も調子はいいか?」
「うん、調子はとても良いさ ジルは…?」
「俺か?調子はとても良い」

きみは消えて欲しくない。
ぼくの友人だから。
歳をとるにつれてきみの姿が見えなくなっていく。きみの声が聞こえづらくなっていく。
消えて欲しくないよ。
それを、架空の友人というのを、後に知る。