SKY~なんちゅのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

テンレギのどシリアスなやつ

 ベッドから目覚めた二人の青年。
 レギオンはきっとわるいこじゃない――その想いから、テンクウはレギオンを抱いた。
 無知の少年である彼を。
「――テンクウ」
「レギオン……忘れてくれ……」
 ――テンクウはひたすらに後悔していた。監視対象に恋愛感情を抱いたことよりも、無知の少年をこの手で抱き、犯し、教えた事を後悔していた。
「テンクウ、これはすきなひとがやることっておしえたのに……テンクウはぼくのことがすきだから、だいた……ちがう?」
「……」
 悲しげな目でテンクウが見つめる。ごめんね、と見えない瞳でレギオンの髪の毛をさらりとかきあげた。レギオンにシャンプーを教えたことにより、さらさらとしている。とても。ほんとうは、ちゅ、と口づけしたい……だがテンクウはぐっと我慢した。
 レギオン=ラストワードことアモン=バアル=ソロモンの監視の日は、今日で終わりだ。だからこそ、テンクウはレギオンを愛しているからこそ、離れたくなかった。警察から降格しても、なんならヒーローを追い出されても、もしもイストワールに住むことになってでもテンクウはレギオンと住みたかった。
「テンクウ、ないてる」
「……?私が、泣いてる?」
 ――テンクウの目から、無意識に涙が出ていた。
 
 「レギオンくんの監視は今日が最終日だねぇ……危険なに任務、自ら引き受けたいと言ったこと、感謝するよ、テンクウくん レギオンくんはぼくらが実験を繰り返しデータを収集、その結果ぼくらじゃ重過ぎることが分かったよ……元の国に返そう」
 わかっていたことばをかけられる。テンクウの胸が、ぎゅ、と締まった。
 レギオンと別れたくない。レギオンが好きだ。レギオンを愛している。そのような気持ちがぐん、とテンクウの中を支配する。目の前の代表を今日ばかりは睨んだ。上司、しかも代表のいうことなど絶対なのに――テンクウは逆らう気でいっぱいだった。逆らう勇気を、テンクウはレギオンの顔を思い出し、ぎゅ、と拳を握りしめ、大声を出してハッキリと。
「嫌です! 」
 ――ルーカスは唖然としていた。テンクウが自分達が決めたことに逆らうということに。
「ころされたいのかい!? レギオンくんの力でみんなが巻き込まれてしんじゃうよ!? 」
「それでも、レギオンと共にいたいんです!!」
「……ソラくん」
「了解しました」
 軽快なフットワークでテンクウの腕に軽く切り傷をつけた少年。テンクウの弟、ソラだった。
「兄さん、レギオンは大変危険です。なのになぜ、兄さんはレギオンと一緒にいる事を選ぶんですか。」
 感情を一切感じられない声で、ソラがたんたんと話しかける。反論しようとするものの、なぜか体がしびれる違和感が先に来た。これは、毒だ。なぜ、ルーカスがソラに攻撃するよう命令したのか、わからなかった。
 ソラは感情が無い。命令には絶対従う心を失った少年だ。兄であるテンクウはその事を深く知っている。
 ぐ、と力が抜け、地面に膝をつくテンクウ。ルーカスは悲しげな目で、テンクウに言った。
「……最後のチャンスだよ。レギオンと離れなさい。でないと君を始末することになるよ。君の責任だから、降格どころの話じゃ無い。――ギャングになり追われるか、ぼくに消されるか――どっちかえらんで」
「殺せ」
「……ああそうかよ」
 すちゃ、と日本刀を構えるルーカス。ソラは、その顔はとても厳格で、目付きがいつもと違うように感じられた。ソラから見ると、それは昔アンティノメルに資料として残っていた連続殺人鬼――ジルの写真に酷く良く似ていた。それを理解しているのは今いる人ではソラしか認識出来ない。
「残念だな、警察として最高の責任をわざと失敗させて、しかも一緒にいたい? ざけんな! 皆殺しにする気か! テメェは人のこと考えられねぇのか!! 」
 ルーカスが日本刀を今にもテンクウにかけようとした時、テンクウは口を開いた。
「愛してる人とは側にいたいでしょう! 結果では悪いデータは何もでていないのに、一回も暴走したことがないのに、テンクウをまた暗い洞窟に閉じ込めるなど残酷です! 」
「ッ……!? テンクウ、レギオンをまさか……? 」
「……愛していますよ! レギオンを! 悪いですか! レギオンを閉じ込めるくらいなら、私を殺せ!! 」
 ルーカスがうろたえる。ソラが、即座に左手の薬指を確認した。
 ――ここは警察国家だが、他の国からはこう呼ばれていた――「苦悩の国」と。ソラも、ルーカスも、同性と結婚し、愛し合いながら暮らしていた。
「……テンクウ、確かに、いや、だな……」
 日本刀をカラカラ、と落とすルーカス。ソラも、悲しい目をしながらテンクウを見つめていた。
 「……数ヶ月の処分をもうける。その間、きみはヒーローとして活動してはならない」
 「……ありがとうございます! 」
 「ただし、レギオンが過ちを犯した場合は直ちに国に返す。大丈夫だね?」
 「……はい」
 
 こうしてレギオンは愛する青年と共にいられることが決定した。
 あの時のルーカスの悲しそうな目を忘れることができない。
「――レギオン」
 胸に秘めた恋心。恋とは残酷なものだ。
 本来すべき事を放棄してでも愛してると思うなんて。