SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

学校 クレイン外伝〈閲注? 軽いけどいじめ表現あり。クレイ

ンの恐怖は学校にあり。

「ワシゃあなぜこなが所居るがか……?」
 クレインが閉じ込められたのは、学校。この学校に閉じ込められたら、ふらふらと歩くしかない。
 クレインは理解してなかった。なぜ自分が今学校にいるのかを。
 どこかで低いひょうきんな声が聞こえる。だがその声の内容までは理解できない。
 幼心に戻ったクレインは、方言を発しながらも、ふらり、ふらりと歩くしかなかった。
「兄さん、どこじゃ……?」
 クレインにとって学校は恐怖の塊でしかない。その理由はいじめっ子達がいたからだ、妖精はいじめの対象であった。
 先に進んでいく、ぼろっちぃ校舎であったボロ宿をさまよう。──学校が怖い。そう思いながら。

「居たぞ!自称精霊だ!」
「やーい、お前本当は妖怪なんだろ!」
 どこからか響く、聞き覚えのある、いじめっ子たちの声。この頃は妖精など全く認知されておらず、どっちにもなれないクレインはひたすら耐えるしかなかった。
「ワシゃあ父さんと母さんの血を引いてるき……こりゃあ自慢できる血じゃ!」
 妖精であることを誇りに思っているクレインだが、それが学校でいじめられるきっかけになっていた。故に、クレインは学校が恐怖なのだ。
 学校の先生にも無視された。妖精であることで学年表では種族欄になにも書かれず、精霊の血があることで妖怪や人間、鬼の多かった学校では無視されるきっかけになった。
「ワシゃ精霊じゃ!なにがわるいき!」
 振り切り、逃げる。己を精霊だと言い聞かせる、本当はハーフ、メター、妖精なのだ。
 遠くで己を呼ぶ声が聞こえたが、クレインはそれを振り切った。
 走って逃げる、逃げる、逃げる。『現実』から逃げるように。

「!」
 石を投げられた。それにつまづき、ひざを擦りむいた。
「血が……」
 血を見て思い出す、自分の血が汚い血だといじめられたことを。
「やーい、妖怪精霊!」
 どこからかそんな声が聞こえる。クレインの顔は真っ赤にそまり、とうとう泣き出してしまった。兄さん、兄さんと泣きわめく。
「クレイン?」
 どこからか優しい兄さんの声が聞こえた──それを気のせいだと振り切ろうとした時。
 手が暖かく握られ、ここが現実か夢かを判断することができた。

「兄さん、また俺、幻に」
 そっ、と手に手を添えられる。ひとりじゃない。安心感が広がる。
 そうか、また発作を起こしたのか。発作のせいで幻に閉じ込められたのか。いつもなら眼の前が真っ暗になるだけで住むのに。今日はむちゃしすぎたな、しばらく幻覚は使わないでおこう。
 そんなことより、兄さん。家族がいる安心感は強い。兄だけとは言え、家族が居るのだ。眼にうるうると涙をためこぼし、泣いてしまった。安心の涙だ。
 悪夢が覚めればそこはいつもの部屋だ。添えられた手の感覚が幻覚ではありませんように、ここが幻であるように。