SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

警察~友達~ 本編

 ソラは休憩中に、一人の青年に出会った。その青年は何かをかごに入れて売ってるようだった。おそらく食べ物か。
 近づいてみたところ、それはりんごであることが分かった。ソラはおみやげに、と思い財布を開け残りのお金を確認し、りんごを買うことにした。

「こんにちは。りんご、何円ですか?」
「あっ……」
 サムサールの青年は、目隠しをしていなかった。それ以前に、声をかけられることになれてないようだった。青年は慌てて第三の眼を閉じ後ろを振り向き目隠しを探す。
「あ、サムサールなら目隠ししないと危ないですよ。ほら。」
 ソラが目隠し用のバンダナが落ちていることを確認すると、目を閉じてバンダナを広いそのサムサールにバンダナを渡した。
「ありがとう……でも、別に害はないから外してもいいって言われたんだ」
「害は、ない?感謝とか……その辺りのものですかね?」
「わからないんだ、誰も教えてくれなかったからね あ、りんごは150ノメルマルクだよ」
 ソラがお金を渡すと、一個りんごを受けとった。赤い、大きな、熟したりんごだ。ソラは軽くお辞儀をした。あとで食べよう。そう思い片手にりんごを乗せる。
「誰も教えてくれなかったということは……誰ですかね、害はないと教えてくれたものは?」
 ただの単純な疑問だったが、意外な答えが青年の口から帰ってくる。
「確か、緑と黄色の髪をして胸元が開いてる服を着たお兄さんだったよ」
「……!?」
 その特徴の者を聞いたことがある。そいつは。
 ソラの顔に冷や汗が流れる。この子は純粋な子だ、と、今までの会話でわかる。

「たぶん……あなたは利用されています ギャングに……」
「えっ……!?わたし、利用されていたのかな……!?
確かに、ここでりんごでも売れば稼げるし眼を隠さなかったら大儲けって聞いたけど……」
 青年はショックを受けているようだが、事実を伝えるしかなかった。
「それですかね、利用されています」
「そんな……わたしはただ、家のりんごを売りたかっただけなのに
また眼のせいで友達が減るのか~~……」 
 青年がへなへなと地面に座り、凹む。大丈夫ですか?とソラは声をかけた。青年ははぁ、と深く深くため息をついている。

「りんご農家なのですね?」
「……わたしが怖くないの?わたしは自分の眼にどんな感情があるかわからないんだよ?」
 ソラが青年の横に座り、レンガに座った青年の背中をさする。
この時、少し違和感を感じた。足音が聞こえる。だが気のせいだろうと無視をした。
 ……だが気配を感じる。警戒しながら、青年に話しかけた。
「怖くないですよ。あなたはいい人です。お名前は?」
 そう言うと青年の目に涙がたまり、わんわんと泣き出した。慌ててソラがなだめ、少し時間が経過すると、青年は何かを発言した。
「……ベネット」
「?」
「アーロン=ベネット……です わたしの名前……」
「では、アーロンと呼ばせていただきますね。よろしくお願いしま……」

 その時だ。後ろに幻術で身を隠していたクレインが姿を表し、アーロンのバンダナをずらす。
「よう、『友無しのサムサール』いい『敵』を持ったねえ?」
 ソラはアーロンの眼を、第三の眼を、見てしまった。
 その眼は。

「……裏切り者。」
 即座に敵意を抱いた。その敵意はアーロンに向かってだった。ぎり、と顔を変える。アーロンは何故だ?と慌てている。両手を上げ、敵じゃないよ、と言った。
 これまでに何度か眼を見せて友達を失ったアーロンは、また一人ぼっちか、と凹んだ。
「そうそうソラ。こいつは敵だ、な~んせギャングだからなぁ」
「……」
 ぎり、とアーロンを見つめる。アーロンは本当に何がなんだかわからない。ただ、眼を見たんだな。それしかわからない。
「少年さん……りんご……」
「毒が入ってるとしか思えなくてならないのです。何故でしょう、アーロン」
 ソラの眼から涙がこぼれた。わからない。目の前の仲良くしようと決めた青年が敵としか思えなくてならない。
「ソラ、騙されたな。コイツの眼は『敵対』の眼だ。
コイツは敵だぞ?ほれ、ほれ」
 ソラは眼を閉じた。これ以上この青年を敵とみなすわけにもいかず。これ以上眼を見ると、殺してしまうかもしれない──それが怖くて。
「クレイン……!あなたの……せいでもあります!」
 その『敵意』は、クレインにも向いた。
 ソラは目を薄く開け、クレインの肩を掴み即座に閉じた。そしてポケットに隠していたナイフで素早くふとももを刺す。
「グッ!」
「ここから苦しんでください」
 友を利用した。その強い敵意でクレインをもっと苦しめようとした時。
「少年さん!ナイフ取ってあげてよ!」
「……」
 ソラはナイフを取った。クレインの足からだくだくと血が流れる。痛々しい。
 地面が、血の色に染まった。
 アーロンは、驚く。
「ちいっ、感覚麻痺させねぇと……」
 そう言うとクレインは己の気配をまた消すのであった。

「うぅ……わたしのせいであの人に血が……
あと、ごめんね……」
「いえ、いいんです」
 僅かに敵意は残るもののもうほとんど呪縛から開放されたソラに、アーロンは話しかける。
 ソラはあなたは悪くないんですよ、となだめる。
「わたしの眼を見させるとわたしにイライラさせる……それの名前がテキイっていうのはわかったよ。わたしにテキイはわからないけどね」
「それでも大丈夫ですよ。貴方は俺の友ですから。」
 さきほど毒が入ってると信じていたりんごももう大丈夫。ソラはりんごをかじりながらアーロンに話しかけた。
「俺は季夏 ソラといいます。よろしくお願いします」
 曇った空が晴れた。太陽の光も入った、眩しい笑顔。ソラとアーロン、両者に、友ができた瞬間だった。

 

 

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