SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

書き納め

怖かったんだ、僕は君に心を許すのを。

「季夏ソラくん」
「はい」
命令通りに俺は行動する。心を殺した結果、俺は人間の平均を超える力をこの若さで身につけた。
あの日、思い出したくもない出来事が起きた。その日以降、俺は心を殺したのだ。
心を殺したから、俺はただ命令通り動くだけだった。
あの事件が起こるまでは。

「きみと話したい人がいるらしいんだ」
「……」
「よっ!おめーが新入りのソラか!」
男なのにポニーテールをした、青髪のサターニアが扉の奥から現れた。
その青年は気楽に話しかけてくる。
「明矢シュンくんだ。どうしてもきみと話してみたいってさ」
「……」
「なんだよ~~、無口だなぁ!噂通りだなぁ」
「……」
本当は内心戸惑っていた。この男は何をしたいのだろうか。
疑いの目で青年を見た。だけど悪いやつじゃなさそうだった。
「お前、どんな命令でも聞くってな?」
「はい、命令どおりに」

「じゃ、さ、ソラ!

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オレと友だちになってくれ!」
「……」
意味が一瞬わからなかった。
昔から俺に心はなく、友達など作ったこともなかった。
付き合い方がわからなくて。
まあでも命令ですから……俺は友だちになることにした。
「はい、明矢さん。俺は今日からあなたの──」
「シュンでいいって!シュンで!オレ、お前がずっと一人だったの見てたんだぜ?」
ひやりとした。見抜かれていたか。心がなく命令されているだけの己に近寄るものなどおらず俺はずっと一人だった。
「──シュン」
「それでいーんだぜ!」
こうして俺とシュンはコンビを組み、いつも任務に一緒に出るようになった。

ある日のことだった。たしか3月のことだろう。
「ソラ!」
ギャングのに傷つけられた俺は、立てなくなっていた。
「大丈夫です、これくらい軽い傷です」
「んなわけねーだろ!」
倒れている俺の頬にシュンの涙が落ちる。
「悔しい……オレの友達を傷つけたなんて」
「……シュン?」
俺は警察に入り、はじめて顔を傾けた。
なんで泣いているんだろうか。なんで彼は悔しがっているのだろうか。
「シュン……俺は平気です ですので泣かないでください」
「ソラ……?」
「なんだか……泣いているシュンを見ると……俺……」
──なんと言えば良いのかわからなかった。感情だったから。
感情を表に出すのが怖かった。でもなぜか彼にだけは出しても良い気がした。
「あ、れ、俺」
「ソラ!泣くほど痛かったのかよ!?」
「違います、俺、どうして」
気づくとともに泣いていた。ソラとして、泣いたのはあの日以来だった。
その日以来、少しづつ心が戻ってきた。

その後、まあなんやかんやあって結婚式をあげたり新婚旅行に行ったりして少しづつ俺に感情は戻ってきた。
今でははっきりと俺の意志を持って行動できる。
そして言えること。俺の感情を取り戻すきっかけになってくれた彼に言えること。

「シュン」
「ん?」
「僕、怖かったんだ。シュンに感情を見せること」
「……まじかよ」
「うん。だからあの時泣いたの、すっごい怖かった」
「まーじかー……ソラ……」
「でも、あのときシュンが僕のために泣いてくれなければ僕は泣かなかったし、シュンを好きにならないと思う そのことを考えると、僕、すごい幸せなんだ」
「……ソラ」
「……そろそろ年が明けるね」
カウントダウンが始まった。あと一分で年が明ける。
「……先に言うよ 大好きです 僕はシュンを一生愛しています」
「ソ、ソラ……!」
その後シュンが恥ずかしいって、といった(多分、ね)ことは花火によってかき消された。
「……あけましておめでとう」
「……おう」
照れにより始まりし正月。僕は今年もまた彼と生きていくのだ。