SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

対立〜本編〜


二人の葛藤、二つの思い

「タイヨウ」
「うるさい人間!ボクの名前をたやすく呼ぶな」
テンクウは、目の前のギャング精霊をタイヨウ、と呼びかけた。タイヨウは爆破の加護を持つ精霊。人間と精霊の間の子だ。

そして、テンクウのいとこである。

「人間はいつもいつも精霊を追放して!
エーリヒさんだけだ、ボクが精霊と知って協力してくれる人間は!」
「エーリヒ……ギャングの五本指、 レイピアのエーリヒだね? 」
「なに冷静になってん……だよっ!」
タイヨウが道にあった石を天空に向かい思い切り投げ、その後爆発させる。
「ッ!?」
さすがのテンクウも爆発するとは思っておらず、爆破の煙でけほけほと咳き込んだ。煙には熱がある。
「アンティノメルで精霊が犯罪してるからってなんだよ!ボスが精霊だからってなんだよ!
ボクはそれが理由で差別されていいなんて思えないよ!
にいちゃん、分かってよ!ボクだって苦労してるんだよ!」
「だからといってギャングに入っていい理由にはならない!」
「うるさい!うるさい!」
まるで駄々をこねる赤子のようにうるさいと叫び、石を大量に投げそれを爆破させる。
テンクウはそれを察し、急いで伏せたが、下の方も爆破され煙が舞った。
「けほっ……」
「観念しろテンクウにいちゃん、いや、人間!」
タイヨウがまさにテンクウと目を合わせた時だった。

「おにいちゃん……?」
「……?」
「目が」
「過去にギャング達にやられた」
「!」
タイヨウが後ずさる。同じギャングが、親戚の視力を奪った。
ギャングとして警察の邪魔をするのは当たり前の行為。だが──相手は親戚だった。
「確かクレインの幻術とマキノの視界を奪う力の最中に、私は──」
「────」
タイヨウの顔は絶望で染まっていた。
だがしかし、ギャングにでも入っていないと、精霊として生きていける場がない──
「……」
「…………」
長い沈黙。タイヨウはその場から去った。次にテンクウに会ったら同情しそうな気がして。

 

「あ、あの、ソラさん」
「アーロンではないですか。どうしました?」

ソラの知り合いであるサムサールが、警察に入ってきた。隣には見知らぬ男がいる。
「この人が、探し人をしてるって」
「?」
「はじめまして警察のお方。私はパッチング国からやってまいりました、ツカイ=パーソナルと申します。」
金髪ロングヘアーの、精霊の男。手には張り紙があった。
張り紙を広げてみると、古ぼけた写真と手書き文字のカラーコピーが書いてあった。サイズを思い切り間違え(元はa5サイズなのにa4サイズで印刷され)て。
おそらく他国から来たので、コピー機に慣れてないのだろう。
「この度は、行方不明の弟について、パッチングでの張り紙をして欲しいのです。」
「わかりました。弟さんが行方不明……辛いでしょうに」
アーロンが張り紙を、わたしもアンティノメルでいいなら手伝うよ、と貰った。
「ソラさん、わたしパッチングって聞いたことあるよ。
国全体で転生を信じている、昔を大切にする国だって。」
ツカイは顔を曇らせる。
「私は伝統を捨てたよ。あきれるね、棒人間なる伝統は。
パッチング国の種族の起源は皆全て丸と棒でできていた、という伝説がパッチングにはある。
こんなのを本気で今の世代まで信じているとは、私は呆れたのです……」
「……?」
アーロンとソラは意味を理解できないまま、張り紙を受け取った。