SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

パキラ〜本編〜

前回までのあらすじ

パーソナル家の召使い・ツカイに弟を探して欲しいと頼まれたソラ。
弟を探して入った洞窟には弟であるプレイと、敵であろうサムサールの少年がいた──

ふらふらとツカイが起き上がり、プレイの元へ向かう。
「本当にごめんな……許して……俺は本当にお前を自由にさせたかった、後悔している……」
絶望しながら、ツカイは何かしているようだった。少年とソラにはよく見えない。
「泣いても無駄だって。ボク、プレイさんが嫌がってるの、知ってるもん」
「くっ……貴方の精神攻撃、いいかげんにしなさい!」
ソラはこの少年が只者ではないということを、会った瞬間から察していた。だが、これほどまでとは。
「一応名乗っとかないとねー、ボクはユアン=アナスタシア」
ユアン……!?」
ソラは、その名前に聞き覚えがありすぎた。
ユアン……ギャング五本指と言われ恐れられているサムサールの少年、と。

「ねぇー、ヒーローってなぁに?」
「それは……警察のことで……」
「ボクはそう思えないなぁー?
精霊や妖精をいじめてー、何が正義なのー?」
「ッ」
「ボクはホントのヒーローになりたいな!精霊に手を差し伸べるんだ♪
だから、ヒーローごっこのキミたちとは違うの♪」
「黙れ」
「図星なんだぁー!へー!

いっとくけどボク……本当のヒーローになりたいだけだよ? 本当のヒーローはね……

人を見捨てたり殺したりできるものさ」

「違う!!」
ソラがナイフをポケットから取り出し、怒りに任せやみくもにユアンに向けて降る。
ユアンはそれをひょい、ひょいっと避けていく。
「オコッテル?感情なしの残酷さんが?」
「違う違う違う!!!」
正直、若干洞窟が暗くて狭いという事も手伝ってソラは少しだけ磨耗していた。
──ソラは過去の出来事により、狭くて暗い場所がトラウマなのだ。
ソラのナイフの力が弱まる。少年の罵りがソラに効く。ナイフから手を離し、カラリと良い音がした瞬間だった。

「貴方は勇気が湧くッ!」
その声は、紛れもなくツカイの声だった。
「えっ!?キミ、『後悔』してるんじゃなかったの?」
「ええ、後悔してますよ今も……正直私のメンタルは弱いです
ですが、私は……ソラさんを助けに行かないと。それに……」
ツカイが手を後ろに述べる──そこには、ツカイと瓜二つの、ボブヘアーほどの金髪の男が立っていた。
「!?」
「私はヒーロー失格でいいので人を見捨てたりしませんよ?」

「だまれぇぇええ!!!」
ユアンがいきなり、ソラが落としたナイフを持ち暴れ出す。
「見捨てるのがヒーローだ!!だって今までに読んだ小説とか、全部ヒーローは人を見捨ててた!
必要な犠牲ってやつ!!だからボクもヒーローになるの!!
人を見捨てれば正義になれるの!!」
「それは違います。貴方、歪んでますよ……!」
「黙れッッ!!!」
互いの挑発、ソラはそのすきにユアンからナイフを奪う!
「!?」
「ありがとうございます、不思議と勇気が湧きました……何故でしょう?」
先ほどの、『勇気が湧く』と言われた直後。謎の勇気が湧いてきた。
これは一体?ソラが疑問に思っていると、ツカイに似ているが、高い声の男が話しかけてきた。
「僕達の信仰は、催眠術なんだ」
「催眠術……?」
「元々は、裏切り者への拷問用だったけどね 例えば、足が動かない〜で、怖い風景を見せるとかね」
この高い声の男こそが、プレイ=パーソナルだった。
そして、催眠術の加護。これで無意識に勇気が湧いたのだろう。
「催眠術!?そんなちんけな術でボクを倒せると──」
「「足が動かない」」
「!」
二人の息ぴったりな催眠術の加護により、ユアンの足は動かなくなった。まるで足がただの棒のように動かなくなったのだ。
「そんな!動け!動け!!」
「無駄ですよ?強く思い込んでしまうことにより、足が動かなくなりますから」
「さあ、逮捕します、ユアン=アナスタシ……」
ソラが手錠を持ち出したその時、ユアンが地面に向かって煙幕弾を投げ出した。
視界が一気に白くなり、焚き火の赤い火がぼうっと白色の中に幻想的な風景を作る。
「けほっ、けほっ!」
三人が一気に咳き込んでいる隙に、ユアンは地面に這いつくばって無理やり洞窟の裏口から脱出した。
「逃したか……!まて……」
「ソラさん、ユアンを追いかけたらまたあの眼を使われてしまいます……ここは引きましょう」
「……」


「ごめんなさいね、私……まだ伝統はバカだと思いますが……逃げた私もバカでした」
ツカイがプレイに向かって謝る。伝統はまだ信じないようだが、プレイとともに皇帝から逃げたのは悪かった、と反省した。
「兄さん、次は僕を置いていかないでね?」
困った笑顔で、プレイは話しかける。
「では、俺はこれにて。」
ソラが一礼し、船に乗り込む。そしてツカイの大きな声が聞こえた。
「何かあったら、私たちを呼んでくださいね〜〜!」
ソラは船の上から、笑顔でツカイたちを見送った。

 


パキラ 勝利

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「人を殺めたりいじめるのが……ヒーロー……?」