SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

whats 番外編

あれから、ワタシはマコトの店に遊びに行くようになった。
店の花を買ったり共に紅茶を飲んだり。
そして、ワタシとマコトは随分「仲が良くなった」のだ。
「マコト」
「エーリヒさん!また来てくれたんだね」
マコトと共にいると、なぜか安らぐ。癒される。
心がドキドキする。そっと抱きしめたくなる。

私が精霊ではなく、人間でいる錯覚に襲われる。

「どうかしたかい?」
「い、いや、マコト。美味しいお茶が飲みたいな」 「じゃあ、紅茶を淹れよう。アンティノメル産の茶葉を使ったお茶だよ」
マコトを一目見た瞬間から、なぜか緊張していた。良い緊張を。
マコトがキッチンに足を向かわせている間、こんなことをぼんやりと考えていた。
その考えは美しく白く濃い霧が醜いものを隠しているように、ワタシの根本を遮るものだった。

ワタシは精霊?私は人間?
何がきっかけでギャング精霊になったかわからない。
過去の記憶が抜け落ちている。わからない。
「(ワタシに過去はあったのだろうか?)」
家族もいたのだろう。……思い出せない。
今を生きる。そう地面を強く踏むように生きているのだ。
タンポポは折れても土下では生きているが、表面上は死んでいる。
ワタシはそれの逆なのかもしれない。根っこが精神的に死んでいて、ワタシという茎はただ見かけのためだけに生きているだけ──
「エーリヒさん?」
「あ、ああ。ごめん。最近よくボーッとしてね」
──気づかれたくない。
この人は、大切にしたい──あれ?
「顔が赤いよ?」
あれ?あれ?あれ?
──わから、ない。
マコトを──守りたい

「私は?」
はっ、とした。が、その思いを必死に閉じ込める。
ギャングたるもの、一般人との交流は控えめにしたい。なのに何故、こうも交流しているのだろうか。
──マコトに抱くこの想い。なんだ?どうしてだ?
ぎゅ、と己の手を強く強く握り締める。震えた手で紅茶を飲み込む。
檸檬のごとくワタシの心はきゅんとする。
どきどき。
手に触れたい。

ワタシが触れたら壊れてしまうのではないか?

「あ、ああ。そろそろ仕事に行かなくちゃね」
「分かった。また来てね、エーリヒさん」

マコトは気づいていない。ワタシがマコトに何かドキドキとイライラを兼ね備えているのを。
──私は何故?
────分からない。