SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

知ってしまったこと

彼が俺を閉じ込めた話

たぶんイストワールの後

 

気づいたら知らない森の中にいて、見覚えのある人影が俺の前に立っていた。
ああ、これは悪い夢なのだな。そう本能的に想った。目の前にいる人物はあのギャングのボス、ダンテ=アリギエーリであったからだ。
「……GRAAAAAAAh……」
ゆっくりと肩を上下させながら呼吸を整えるダンテ、その姿は理性を保とうとしているように見えた。
「どうした……かかってこいソラ……」
「そう言われても俺は……」
いつのまにか片手にはナイフが握られていた。ここ最近急に何かが瞬間的に爆発するような想いが暴れている。その時は大抵、ダンテが近くにいる。
ダンテと俺に何か関係があるのだろうか──そううすうす思っていたものの、違和感の正体は掴めなかった。
「……お前は……」
ごくり。その一言に唾を飲む。喉が上下に動き、頰に汗が流れる。

「お前が四歳の頃……俺が誘拐した……。」

瞬間的に爆発した。言葉にならない叫びが森の中をこだました。
感情など現在「怖い」「こわい」という叫びしか今は入ってこない。なにもかもが真っ暗闇の中にいた。
あの頃の出来事を忘れはしない。あの日誘拐の恐怖、命令され続けた恐怖により俺は心を閉じ込めた。
あの日以降、心を壊し、まともな生活を送ることが困難となった。
何をするにも感情が湧かない、奥深く深く、海よりも深くに心を閉じ込めたせいだった。
その誘拐事件は未解決に終わっていた。だがしかし、ダンテだったとは。
これはダンテが考えた動揺させる作戦なのかもしれない、と軽く冷静さを取り戻してチラチラと考えられるようになった。
しかし、あの誘拐犯人の顔は覚えていないが、精霊であることは覚えている。
再び俺の心が壊れようとしていた。音を立て、ガラスの破片のように壊れていく。
「……だが殺せなかった 俺は悪になれない悪だ……」
なんとか冷静になった時、ダンテが俯き息を荒くしながらそう言った。ダンテのことだ、悪は働けるだろうと思っていたものの。悪になれない悪という言葉を聞き俺は顔を傾けた。
「せめて全て忘れて暴走し……貴方を倒せれば……いいのに、ね……」
力を使い果たし倒れるダンテ、俺はそれを観て助けようという気持ちとそのまま放置するという気持ちの間で揺れていた。
人は助けたい。だが、相手は俺の因縁の相手。俺は苦しみ迷った。
風が強く木枯らしが散る。俺はただダンテが起き上がる時を待つことしか出来なかった。
心を殺しながら。