SKY~ナツユのPFCSブログ~

なんちゅのPFCS用のブログです。かなりフリーダムです。

ジャコウナデシコ【母の日】

帰宅するソラの話


「俺、しばらくお母さんに会ってませんでしたね」

 母さんの元へ、久しぶりに寄った。一年半ぶりぐらいだろうか。

 一応母さんには(男とですが)好きな人がいるという事は伝えていたけど、俺の心が日々蘇ってきていることはまだ伝えてなかった、いや、伝えるのが怖かった。

 母さんの家のドアをノックし、扉を開ける。

「お母さん」

 ――お母さんは、相変わらずの様子だった。

「ソラ!ひっさしぶり!怪我しなかった?喧嘩は?」

「あの、いつまでも子供あつかいしないでください……」

 ――やっぱり、相変わらず優しいお母さんだった。

 


「ソラ、髪の毛伸びたね〜 この頃と比べて見てよ!」

「あ、本当だ…… これ、去年の俺の写真ですよね」

 俺は久々に母さん手作りの卵丼を食べていた。

 母さんがとってきたのは、去年、警察に入ったばかりの頃の俺の写真。

 この頃は髪の毛はちょっと短かった。当時の俺なりのおしゃれだったんだろう。

「テンクウはよくソラのことを言ってくれたんだよ。ソラがいきいきとしてきたって」

「あ……」

 兄さん、母さんに言ってたのか。

「通りで最初嫌がったのかな?私がソラに話しかけた時」

「そう……ですね」

「ほら!今のタメ!一年前のソラじゃあり得なかった」

 俺、そんなに感情豊かだっけ。それに、俺、そんなに感情なかったっけ?

「ほらほら、考えてるような顔しないで!……私、やっとソラのいきいきとした顔観れたのかあ」

 いきいきとした顔……

 ああ……

 


 俺、四歳の頃に感情を封じ込めたからですね。

 お母さんは四歳以降の俺の、考えてる顔や悩んでる顔、見たことありませんでしたからね。

 ずっと『俺』って言って、大人びてて。

 『俺』、ようやく母さんに感情ある顔を見せられたんですね。

 


「あはは、ソラ笑ってる」

「……ふふ」

 母に、俺は初めて、笑顔を見せてあげられた。